九州の百名山、二座を登る

阿蘇山・祖母山

 

― 23.10.2729 ―  

 

 

九州の百名山ツアーは12名で行ってきました。

27日は快晴で阿蘇山へ、28日は時々小雨の中を祖母山へ。

29日は雨のため久住山の予定を観光に変え、

九重夢大吊橋、原尻の滝、竹田城(岡城址)、

熊本城を観光して大満足で帰って来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

想い出の紀行文  羽木敬子さん

 

 

百名山2座と観光満喫

厳しい冬の訪れを待つ間、短いながらも爽やかな秋の山々へ。今回は九州の3日間の山ツアー。期待に胸を弾ませながら当日は5時過ぎに家を出たのに集合場所に着いたのはビリ。皆の厚意に甘えつつ機上の人となりました。

 

 熊本空港からはチャーターバスで仙酔峡まで約1時間、阿蘇五岳は東西18`、西北24`の外輪山が勇壮な山波、紅葉の始まった優しい色合いの風景に心も身体もじんわりと緩みそう、会長からの注意を聞き、気を引き締めて主峰の高岳を目指して出発。カシワバアジサイのようなノリウツギや返り咲きの様なミヤマキリシマを目にしながら登り、だんだんと険しさの増す岩石の道をひたすら進み、1時近くなったので程良い場所でランチタイム。美味しいお弁当でしたが完食ならず出発。

 

雄大な展望に羽がはえて身体が大きくなったよう・・・

「高岳まで220m」の標示を、もうすぐ、もうすぐと思いながら通過、それでも昼食後だったので馬力が出て無事登頂、1401,592mの三角点に思い切りタッチ。雄大な展望に羽がはえたように心身ともに軽く大きくなったよう。“中岳へ”の声に気合を入れ直し、少しゴツゴツの道を下りたり登ったりと1,506mの中岳に212分に到着。噴煙登る活火山にドキドキ、新燃岳を思い出しました。火口壁はたくさんの人だかりが見られ、ひと休みして高岳に戻ったのが240分頃でした。

 

下りは滑り落ちそうな箇所や段差の大きい岩や石の道なので、靴の紐を締め直して歩き始め、白い杭と黄色のペンキを目印に下り、気が付けば前と後と離れてしまい、時折前後も見え隠れしながらも見えていたので後を待とうと休憩。頂いていたトマトを丸カブリ、絶景を前に舌鼓を打つのは乙なもの・・・とノンビリ構えていたのですが、待ちきれずボチボチ行く事にしました。

 

ペンキ印を見ながら進み、平べったい大きな岩の下に道が続いていたので、この上を滑って下りようと身長差も考えず足先から伸ばした途端、足が届かずザックごと頭からドサッという感じで滑り落ち、“どうなってんの”と恐る恐るずれたサングラスを外してみると無事、ホッペに触れてみてもジンジンするけれど出血はなし、ほっとしながらソロソロ身体を起こし、他に痛いところはなしと体勢を整え歩き出しました。ザックの重みで頭から真っ逆さまに・・・という事のようで、それからはジンジンのホッペを撫でながら慎重に進み、仙酔峡の橋と駐車場が見えた時は、心底ほっとして周囲の情景も目に入ってきました。

 

445分に駐車場に帰着。やがて全員揃って、この日のお宿、四季の森温泉に向かい、汗を流してディナータイム。顔面を冷やす氷を頂いて部屋に戻り明日の用意、天気予報を聞きながら就寝。夜半に雨の音が・・・。

 

2日目は7時の朝食に合わせて起床。食後、お宿の方々に挨拶をし8時少し前に出発。午前中は何とか保ちそうという事でひと安心。道路から登山口への自然歩道に入ると道幅は狭く、対向車が来ればどうするの・・・?という道、九十九折りの道を運転手は慎重に進み、だんだんと山奥に入っていき“祖母山とはいえ姨捨山に連れて行かれるような・・・・・・”に笑い声も上がり2時間余りで北谷登山口に。マイカーも1台駐車しており登山者ありの様子。

 

四阿で支度を整え出発。昨日の山と違い樹間の中で気持よく、1合目から9合目まで標識があると会長の説明を聞き、まずまずの登りに身体を慣らすように歩き、原っぱのような千間平に115分に到着。足元は草紅葉が広がり気持ちも和み、それからも歩き易い道が続き、5合目を越え三県境で1125分。設定時間より30分近く遅い。ブナの紅葉が美しく、こんな素敵な所を歩けるなんて・・と心も豊かになってくる。

  

  ヤッタゾー・・・二座目に

国観峠を1147分に通過、ゆるゆると傾斜が感じられ8合目、9合目と順に険しさが増し、泥濘や濡れた石、木の根で滑らないように細心の注意を払いながら登り、クマザサの茂る中を先頭さんは歩き易い道を見極めながら進んでくださるのが嬉しい。“待望の着いたゾー頂上だ!! ”の声にヤッタゾーと思いながら1,756mの山頂に1240分に到着。一等三角点に凄いじゃないの私達は・・・と思いながら撫でました。昼前から降ったり止んだりの空模様で視界はほとんど(ゼロ)。風も冷たい。

 

“昼食は9合目小屋で”という事で早々と下山、登りより気を張りながら下りました。小屋の中は関西のツアーの方々が先客におられ、順に場所を譲ってくださり登って行かれました。1時半近くなっていましたが、暖かい中でゆっくりと美味しい食事ができました。会長達とも合流、外気の温度は10度に未たないほどでしたが、下山は国観峠に2時半頃、この辺りからは下りも楽になり紅葉の美しさを愛でながら、登山口に帰ってきたのが4時頃。泥まみれになった靴やスパッツを洗い、ひと息つきました。

 

四阿の壁に『熊出没!! 注意』の張り紙が目に入り、会長達が登る途中で聞いた獣のような大きな唸り声は熊だったのかも知れません。何事もなく本当に良かったこと。バスは難しい坂道を運転手さんは慎重に、道路に出てからは真っ暗な山間の道をホテルに向かってまっしぐら、という感じ。私達はひと仕事を終えたのでノンビリ気分。7時半過ぎにホテルに着き、すぐに夕食。明日も雨ならば観光にして久住山はキリシマツツジが見頃の5月頃にしては・・・という提案もあり、満腹になったお腹をかかえて部屋に戻り、整理した荷物を枕許に置き温泉へ。ツルツル、スベスベです。明日はやっぱり雨のようね・・・と話しながら床に就きました。

 

3日目は雨で九重夢大吊橋、原尻の滝、岡城址、熊本城・・・

3日目(29)の天気予報はピタリ雨、観光と決定。8時過ぎにホテルを出発、第1番目は大分の標高777mの地にある九重夢大吊橋へ。流石に観光客も多く、紅葉の中の震動の滝は九重の山々を背景に、文字通りの絶景かな、暫し歩みを止めて見入りました。葛橋と違い少々の揺れは楽しい。次は久住山登山口の牧ノ戸峠、雨でも土曜日なので満車状態の駐車場、登山者が次々と登って行くのが見えました。

 

そこから次の目的地、原尻の滝へ。幅が120mもあり素晴しい迫力、川の中に鳥居もあり、茅葺屋根の前には大きな水車が回っており、ほのぼのとした情景、道の駅では地元の野菜が揃踏み、女性陣は主婦の顔に戻って珍しい野菜を求めていました。少し早目の昼食を済ませ次は「荒城の月」で有名な岡城址へ。東西に長く積み上げられた石垣も苔蒸し紅黄葉と相俟って素晴しい彩りを添えている。コシオガマやホトトギスも咲いており、本丸までは随分と遠い。山城だけに霧が立ち込め幻想的な情景がしっとりとくる感じ、去年登った竹田城跡を連想しました。

 

最後は加藤清正の居城だった熊本城、大勢の人出でした。とても広く一日かけてゆっくり散策したい所でした。黒い色合いがくっきりと冴え、力強く堂々とした構え、天守閣から見る風景は天下人を思わせる快感。どこもかしこも美しく手入れされ爽やかな心地、去り難い城でした。程好い時刻に熊本空港に到着。本当にお世話になった運転手さんとサヨナラをして元気に帰途につきました。

 

初日に不注意で皆に心配をかけてしまい、暖かいお心遣いに感謝の気持ちでいっぱいです。また夏山を体調不良で断念された Iさんがその時の費用の2分の1を観光費用にと伺い、ご厚意有難く思います。それに療養中のMrMも、いつもラストからエビス顔で“ファイト”と声を掛けてくださったこと、お仲間も“いつも一緒に歩いている気持でいるよ”と言っています。病が早く退散するよう、皆で応援しているので気長に養生してくださいね。笑顔を待っています。錦繍の紅黄葉を充分に満喫し、皆様のお蔭で本当に楽しい3日間を過ごせました。
     ありがとうございました。
  (羽木 敬子さん)より

                       

 

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