夢のような三日間の旅

 

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夜明け前の三日月を見上げ、キンモクセイの芳香が漂う中、家人に見送られて空港へ。飛び立つまではドキドキ、眼下の風景を見てホッとです。名古屋上空を過ぎて、遥か彼方の雲間に富士山が見え、幸先が良いとワクワク、つい先程まで伊吹山が見えていたそうです。

 

 定刻通り840分に秋田空港着、観光バスに乗り換え、途中の道の駅でランチタイム。岩木山8合目までの津軽岩木スカイラインは全長9.8kmで、何んとカーブが69、様々に移り変わる紅葉の景色は素晴らしい。山頂駅で標高は1,238m、そしてリフトで鳥の海噴火口まで上がり、標高は1,470mです。140分頃でした。

 

 絶景のパノラマに圧倒されてか足が宙に浮いているようで心もとなく、会長から“足場を決めて焦らずに”と云われ、恐る恐る1歩を踏み出しました。少々の風はありましたが、岩だらけの道は、だらだら坂よりは足が進み易く、緊張はしたけれど登るほどに眼下は絶景。220分待望の1,625mの頂上に到着。Vサインと登ったぞ―の思いを込めて“ニィ―!! ” 最高の瞬間でした。

 

 奥社に無事を祈願して下山開始。登りより更に注意を払って岩場を下り、途中のヒュッテの鐘にも、やはり無事を願いながら鳴らし、リフト乗り場に戻ってきたのが310分頃。

険しかったので短時間でも充分歩き応えのある道程でした。麓から往復すれば10時間近く要するとか。

 

 そして酸ヶ湯温泉に到着。由緒ある立派な旅館で、泊り客も多く、私たちは6時半から夕食、食べ切れないほどのご馳走が並びました。満腹で部屋に戻り、先ず玉の湯温泉に入浴、それから大きな千人風呂へ。とても身体が温もりました。雨を気にしつつ床に就きました。 

 

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 早朝目覚めれば、やはり雨。昼前後に止むそうなので、出発を1時間遅らせて9時に出発。ロープウェイ下には直ぐに着き、930分に乗りました。100人乗りのゴンドラは観光客や登山客で満員。山頂公園駅で確りと身支度を整え出発。雨も上がり田茂萢湿原のしっとりと鮮やかな草紅葉に魅了されながら進み、赤倉岳に着きました。会長は順に皆の記念写真をパチリ、パチリ。1120分頃でした。

 

 ガスも出てきて、周囲があまり見えないので、火口壁を歩いているという恐さは無く、井戸岳へと進み、そのうちに風が強く吹きつけ、もう暴風でした。レインウエアーの頭の部分をしっかりと締め、柵のロープを確り掴みながら姿勢を低くして、飛ばされないよう必死で進みました。ザックカバーを飛ばされてしまった人もあり、やっとの思いで避難小屋に着きました。1220分頃でした。

 

満員でしたが順に交代してもらい靴を脱いで上がり昼食です。 お弁当の中から大きなオムスビ2ヶを持ってきたので、それに頂いたキュウリと温かいお茶で美味しくいただきました。大岳山頂から下りて来られた方のお話を伺い、流石の健脚さんも、もう強風は結構ということで、大岳登頂は断念、別コースで下山開始。

 

樹林帯に入ると風も弱く快調に進み、滑りやすい木道歩きは慎重に、やがて展望が開け湿原が広がり、びっしりと敷き詰められた草紅葉の絨毯、背景のカラフルな色彩と落ち着いたハイマツの佇まいと重なり、迫力ある大自然が奏でる華麗なシンフォニーにうっとりする絶景が続き、感嘆しきりでした。

 

長い長い木段が続いた時は、あまりの長さに足がもつれるかと思うほど、また凹凸岩の下りは月山の時を思い出しました。ブナの林に入って足元も落ち着き、ムシカリかカマズミ系の赤い実に癒されながら酸ヶ湯温泉まで無事に帰ってきました。

 

午後3時、酸ヶ湯に別れを告げバスは八甲田山周回道路へ。まず睡蓮池、その後、雪中行軍遭難記念碑と鹿鳴庵を見学して、この日の宿泊の浅虫温泉・秋田ホテルに5時半頃到着、身体が冷えているからと先に入浴。そして、またまた豪華な夕食、ホタテと御飯が特に美味しかった。 

 

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 8時半に出発、青森観光です。まず県の観光物産館へ。お土産を求めるのに忙しい人も、それから、ねぶたの家に、暗闇に置かれた大きな、ねぶたを見ていると実際のねぶた祭りを見たくなります。そして11時には弘前城へ。古木、名木が多く2,600本余りのソメイヨシノやシダレザクラ、赤い実のイチイ、松、イチョウ、ダケモミなど、歯目の桜は壮観な風景でしょう。津軽富士と言われ、裾野広がる岩木山の雄大な姿を見ていると、その美しい姿に改めて感動が湧いてきました。本当に登れて良かった。日本最古のソメイヨシノも品位を保っていました。

 

 見学を終えてランチスポットへ。やはり御飯も菜も美味しく頂きました。道の駅に寄りながら一路、秋田空港へ。途中、八郎湖SA184段の階段を登り、地平線の見える大パノラマは素晴らしかったです。5時半に空港に到着。バスの運転手さんにも大変お世話になりました。有難うございました。

 

 去り難い思いで機上、大阪空港に着いた時には“あっ”という間の三日間だったなァ―、という思い、食べ切れないほどのお八つも頂き、悪天候で会長も随分と気をもまれた事と思います。会長はじめ皆様には何かとお世話になり本当に嬉しかったです。有難うございました。楽しいばかりの三日間の旅、感謝です。   (羽木 敬子さん)より