一等三角点 蘇武岳・来日岳

 

 25.5.1112 

 

 

 

一週間前の天気予報は土日月と雨で最悪の状態でした。ところが二日前に急好転して

最高のツアーができました。一日目は志賀直哉や多くの文人が訪れた城崎温泉の後背地の

来日岳に。二日目は 冒険家・植村直己の故郷の山、蘇武岳へ。

渓谷美が素晴らしい阿瀬谷を遡り、稜線からは雪を頂く氷ノ山、続く鉢伏山などを眺め、

一等三角点の山頂では360度の大パノラマで北近畿の山々の展望を楽しみ、

パラグライダーを見上げながら名色スキー場跡を無事下山しました。

 

 

 

想い出のアルバム

想い出の紀行文

T.中川 さん

松井

羽木 敬子 さん

 

 

 

 

 

(第一日目)

青葉薫る頃となりました。煙るように降る雨の中、午後からはどうぞ晴れますように、との願いを乗せてバスは出発。恒例のように手作りの数々が地図や枝折と共に皆に配られました。期待通り雨は上がり、艶やかな緑の中にヤマフジの薄紫が鮮やかな色合を見せてくれます。

1104、先ず2.1mの三角点にタッチして石仏が並ぶ登山道へ足を踏み入れました。3時間余りバスに乗っていたので、最初は引き摺るような足取り、健脚さんは後方から、先頭さんがゆっくり進んで徐々に足も上がってきました。ムラサキケマンやヒメシャガ、ピンクのイカリソウ、可憐なヤマルリソウ、ヤブニッケイの新芽が銀色に輝いて花のよう、チゴユリや小さな蕾をつけたササユリに出逢った時は、とてもハッピー気分。頂上まで88分との標識を通過したのが1115分。P304の頭に着いたのが1157分、暫く休憩。中間点で1215分頃、優しい若葉風を感じながらのランチタイムとなりました。会長から“まだ登りが続くので軽くね!! ”と注意。

それからは、あと30分の標識を1255分に、あと18分の標識を15分に通過。待望の来日岳567mの一等三角点に到着したのが125分でした。青空の下、展望台から見渡す山々は新緑が映え、見下ろす田園の広がる風景は素晴らしい眺め、残りのオムスビやお八つを頂き、全員で大合唱の“112!! ”登山道でも見かけましたがホソエカエデでしょうか?頂上にも、名前が判らないので気になりました。

220分頃、下山開始。道路からブナ林に入り大師山まで1.7`の所で310分。あと0.6`の標示で325分。大きな観音様やカニ塚のあるロープウェイの大師山頂駅には3時半過ぎに到着。ロープウェイで温泉駅までホウの花がよく見えました。

城崎温泉・鴻の湯に入浴のあと今夜のお宿へ。花の館のようで、お庭にはカラーやツツジ、シャガ、紫と白のタツナミソウ、スミレ、ヒメフロウのようなゲンノショウコ、オダマキ、コデマリ・・・etc。夕食もワラビの煮びたしやシャブシャブ、茸入りでサンショの香りいっぱいの炊き込み御飯は絶品、お腹におさまりきらない程いろいろありました。その後は会長の第一声で始まったカラオケ大会。ソロあり、デュエットあり、コーラスありと和やかに余は更け、夫々の部屋に引き上げ、明日を楽しみに就寝。

 

(第二日目)

翌朝は朝5時起きで、朝食後、お弁当を受け取り、玄関の前で元気いっぱいの“1+12―”女将さんたちに挨拶して640分出発、標高240mの第二駐車場に到着、先着の車が数台ありました。

 阿瀬渓谷48滝と景観も楽しさを誘うイラストマップを見て650分頃出発。渓谷に沿っての登山道は前日よりなだらか。水流のハーモニーを聞きながら歩を進めるのが、とても爽やかで身体も弾むよう。一つ目の滝を76分に見、二つ目の滝を77分に、そして大きな倒れ岩を725分に通過、そして728分に三つ目の滝「月照滝」を背景にマイナスイオンを受けながら“1+12―”。マムシ草が現れちょっとドキッ。不動尊と不動滝の横を8時頃通過。

 山深い段々になった平地に入りました。金山廃村跡です。あまりにも雪が深くて生活がたってゆかなくなったので廃村になったそうです。四阿で小休憩、8時半でした。

 大きな葉影の下にちんまりとした濃紅紫の花姿のザゼンソウ、ナットウダイ、キランソウ、トリカブト、お初の花見で教えてもらった猛毒のハシリドコロは瑞々しい若芽を見ていると美味しそうに見えるのに幻覚症状を起し走り回るところから、この名がついたとか、イチリンソウ、ニリンソウ、ミツマタ、四枚の葉に大事に守られているようなヒトリシズカの群生、楽しいフラワーウオッチングが続きます。

 空が見えて金山峠に到着、丁度10時でした。休憩タイムの後、蘇武岳を目指して急坂の尾根を登り、少し平坦になった所で、この辺りに844mの三角点がある筈、と健脚さん達が探索して発見、流石です。松ヶ谷三等三角点に1048分にタッチ。そこからアップダウンの尾根道が続き、あと1.7`の地点で1120分、道路を下に見ながら進み、蘇道と書かれた記念碑と展望台、四阿がありました。

時刻は12時前、丁度好いランチスポット。まだ登りがあるのでオムスビは一つだけに・・・、と言っていたのに、あまりに美味しくて止まらず、皆二個ともペロリです。頂いたキュリもトマトも最高の味、展望台からは雲一つない五月晴れに、長い裾野にまだ雪の残る氷ノ山が素晴らしい。車で来られていた地元の方のお話では、一週間前までは雪で来られず、やっと今日、ワラビやタラの芽、コシアブラ等、フキノトウも・・・と山菜採りに来ました、との事でした。

再び登山道に入り、ザックは軽くなったけれど、お腹は重いと言いながら登り、九合目で12時半、そしてその15分後には蘇武岳山頂の1,075mの一等三角点に万感の思いでタッチ。昨日の来日岳を始め、鉢伏山など但馬、丹後の山々、日本海もと感動の展望。錦繍の山とは趣を変えた青葉若葉の力強いエネルギーを胸いっぱいに取り込みました。別ルートからの会長も到着。Vサインの“1+12!! ”です。

下山道ではイワカガミと出逢い、あまりの可愛いご褒美に胸キュンです。森林浴のブナの森から林道出合を2時に通過、備前山へと向かい。名色スキー場跡のゲレンデにはパラグライダーを楽しむ人が多勢。その横をへっぴり腰での下り、廃止のゲレンデは、とても荒れており、ススキの親玉のような茎が伸びて滑り、ストックで踏ん張りながらの難行。運動神経の良い人はソリのようにビニールシートを敷き、上手に尻スキー。無事に下りた小道にはワラビがいっぱい、田畑を抜け、バスの待つ駐車場に到着できたのは3時半頃でした。

それから神鍋温泉ゆとろぎの湯に入浴、ゆったりと身体を解し、バスに乗車。残雪もありましたが、歩く道には無く、よく頑張ったと満足感に浸りながら帰途に着きました。

会長夫妻はじめ素晴らしいお仲間との絆を思い新緑の山歩きを堪能できたこと、本当に嬉しく思います。皆様お世話になりまして有難うございました。

(羽木 敬子さん)より

 

 

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