百名山

 

一等三角点

九重連山

 − 25.67 10 −

 

 

 

 

 

2年前の秋、悪天候のため断念した九重連山へのリベンジです。今回はミヤマキリシマを期待して、大阪南港から夜行フェリー「さんふらわぁ」に女性9人男性3人が乗船。翌朝別府港に上陸、乗り変えた九州横断バスは、やまなみハイウェイを走る。車窓からは9年前の秋に登った鶴見岳、由布岳を見上げながら・・・。

 

 長者原のホテルに荷物を預け出発、坊ガツルを目指す。天気は薄曇りでさわやか、順調に進んで雨ヶ池越で昼食。坊ガツルは色とりどりのテントと大勢のハイカーで大賑わい。健脚組は大戸越から平治岳へ向かい、ツツジの海原の中へ。

 

 翌日は雨の中、牧ノ戸登山口から久住山へ。道端の花々に勇気づけられながら日本百名山一等三角点の頂上を踏む。これで山歩楽会は、九州四国の百名山を全て制覇できた。

 

 

 

想い出の紀行文

想い出のアルバム

羽木敬子 さん

高橋 さん

松井

 

 

 

 

 

 

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梅の実が熟す梅雨なのに、今年は早い梅雨入りでしたが、どうやら空梅雨のようです。2年前の秋に天候不順で登れなかった九重連山。今回は船旅で始まりました。別府行フェリーさんふらわあの船室は仲良く全員同室です。

 

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翌朝、別府港に着き九州横断バスに乗車。山並みが近くなるとシシウドやヤマボウシが歓迎してくれているように揺れています。くじゅう登山口で下車。ホテル花山酔へ向い、荷物を置いて再び長者原の登山口に集合。期待に弾む声で“1+12!! ”淡い陽射しのもと青野の木道を歩いて樹林の中へ。

先ず入口で生態系を守るため種子除去マットで靴底をこそぎ前進です。スクッと伸びたウワミズサクラコシアブラ、マユミ等の木の葉がそよぎ、コガクウツギの真っ白い花が清楚で清々しく、木々の青葉が目に沁みるようなウルウルワクワクの道。名札が付いているのが嬉しい。シジュウガラやウグイス、カッコウ達の囀り、それにカエルやセミの合唱も入り、しっかり気合を入れて貰っているよう。アザミや黄色のニガナ、モミジガサ、ユキザサとフラワーウオッチングも始まり、坊ガツルまであと4.7`の木標の所で1035分でした。

 

11時頃給水タイム。樹林帯を抜けるとピンクのタニウツギが見られ、時折り休みながら白ドウダンの下を歩いて雨ヶ池越に到着。ミヤマキリシマが岩肌に群生し、可憐なハルリンドウやまだ蕾のノギランも。丁度正午になったのでランチタイム。炊き込み御飯のオムスビなど美味しく頂きました。

 

ゆっくり休憩のあと歩き出して間もなく“坊ガツルが見えましたよ”の声。眼下には広々とした草原が広がり色とりどりのテントがいっぱい。1255分でした。ゆっくりと坂を下り120分、坊ガツルに到着。周囲の山肌を緑と共に覆うミヤマキリシマ、絶景です。

 

“♬坊ガツル賛歌の♬ 歌があったョネ―”Yさんの一声で思い出しました(ミヤマキリシマ咲きほこり 山くれないに大船の 峰を仰ぎて山男 花の情けを知るものぞ・・・)もう少し近くまでいきたいなァーと思いました。

 

会長から“焦らずに充分注意して行ってらっしゃい”ということで6人で平治岳へ向かいました。2時少し前でしたが、下山の人達が殆んど、有難いことに登っていく私達のために道を開け、エールを送ってくださる。少しでも早くと足を上げ、頑張って登るうちに、だんだんとアリガトウの声が息切れして虫の息。列が途切れた所で休憩してドリンクを飲んで元気づけ、大戸越に到着。2時半過ぎでした。意外と早く着いたようです。

見上げる山は平治岳。ザックを置き中腹まで登りました。自分たちが雄大な景色の中にいることに感動し、ひたすら登ってきて出逢ったミヤマキリシマの可憐にも胸がジンジン躍るみたいです。本当に此処まで来られて良かったと思いました。

 

下山を始め、坊ガツルに戻ったのが3時半頃。420分頃には木道まで戻り、タデ原に帰ってきたのが510分頃。29126歩でした。ホテルに着くと荷物はちゃんとお部屋まで運ばれており、有難いことでした。

 

入れ替わるように私達も温泉へ。明日に備えてしっかり足揉みも、その後は会話も弾む楽しい夕食。でもどうやら夜半から雨らしいとの予想で、会長を囲んでミーティング。その結果、最短のコースの牧ノ戸峠から扇ヶ鼻分岐を経て久住山へ。そして同じ道を下山することに決定。夫々の部屋に戻り就寝。

 

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翌朝は矢張り雨、でもそのうちに止みそうな優しい雨になっていました。7時半過ぎにホテルの車で牧ノ戸峠登山口まで送って頂き“登山口と久住山の標高差は461bだから充分帰りのバスに間に合います”との会長の話を聞き、いざ出発。遊歩道の急坂を登り切ったところの休憩所で“1+12!! ”。

 

とりあえず昨日の6人グループで先行。810分頃には大きな石板のある展望所を通過。少し道が険しくなるが、とにかく人が多いので、雨も気にならない程でした。もうすぐ扇ヶ鼻分岐という所で840分頃。緩やかな稜線を進んで岩場のゴロゴロ道が続き、久住分れで937分頃。久住の避難小屋で少し休憩して頂上へ向かいました。

 

雨より風がだんだんと強くなり、一瞬の霧の晴れ間に爽やかな緑の世界が見えました。八甲田の強風を経験していても矢張り怖い。一歩一歩ストックで支えながらの登りです。やったゾーの思いを込めて1,787mの一等三角点にタッチしたのが1038分。ラッシュのような山頂でしたVサインで記念写真です。有難うございました。皆のお蔭です。

 

 “なるべく離れないように”と濃霧の中を下山。石に描かれている黄色い丸印が目印です。後ろから“避難小屋で休憩しましょう”の声が掛かるまで夢中で前の人を追い、周囲に目が届かず恥ずかしい。11時前後だったでしょうか?雨漏りのするテーブルで昼食。強風を凌げるのは助かりました。

 

 ザックも少し軽くなり出発。風もちょつとマシかなという感じでした。木や山野草を艶やかに濡らした雨のせいか、コケモモやイワカガミ、マイヅルソウ、コツクバネウツギ、それにツクシドウダンなどキラキラ輝き、通り過ぎる私達の心に元気をくれました。

 

 休憩をとりながら、黒ずんだ泥濘みの下り道を滑らないように気を遣いながら登山口まで戻って来たのが1247分。“120分のバスに乗れるので、きっと皆一緒でしょう”の言葉通り、バス停で合流できました。18892歩。泥まみれの靴とストックを洗いバスに乗車。ホテルに戻ってゆっくり汗を流しました。

 

 ホテルの方達に分れを告げ414分発の九州横断バスに乗り別府港へ。船中の夕食はバイキング。そこで会長から療養中の松井伸夫さんからメールがありました、との報告があり、サンポラの活動を楽しみに見てくださっているようで、ご自身も病気と向き合いながら毎日過ごしておられるご様子のことでした。”松井伸夫さん私達も頑張っています”

 

610

6時半大阪南港に到着して解散。この度は北海道以来3年振りに参加の方もあり、久し振りお話もできました。サンポラに入会して丁度300回目の記念すべき山になった久住山です。九重連山は遠いけれど、また登ってみたい山がいくつもありました。会長夫妻や皆様のお蔭で、ゆったりと時間の流れる、とても素敵な山歩きの旅でした。本当に感謝申し上げます。有難うございました。                         (羽木 敬子さん)より

 

 

 

 

 

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