第一回 山歩楽会

スズラン貝の化石たずねる

9.5.31(土)  < 晴れ >

 

 

山歩楽会の結成 第1回例会として531()五月晴れの下行われた。午前8時に大阪駅東口改札前に15名集合。JR環状線で鶴橋へ。近鉄に乗換え1名合流、817分発で榛原へ、96分着。改札口で7名が合流され、本日の参加者は総勢23名となった。駅前で磁北線の引き方、地図の持ち方(正置)、地図の読み方の説明のあとスタート。

駅前商店街を東へ約250m、左に曲がって近鉄のガードをくぐると、左手に本居宣長が宿泊したという旅篭「和州はいばら あぶらや」の看板、右手に石の道標と おかげ灯篭、道標には左あおこえみち(阿保越は平安時代に栄えた旧伊勢街道の一つで、大野寺、名張に続き)、右いせ本街道(室生古道、美杉越と続く)とある。右にまがり、往時の名残をとどめた風格のある家並みを、昔を偲びながら歩く。

大和富士が くっきりと

福地の街並みを過ぎた辺りから見える額井岳(821m)に向かって歩く。大和富士と呼ばれる その雄姿が青空にくっきり。天満台の住宅地を通り、赤瀬の集落を過ぎると間もなく東海自然歩道に出る。自然歩道とは名ばかりの舗装された道で、まったく つまらない。地道と違って照り返しか強く、気温も上がって来たので汗だくになる。そこを約600mで十八神社に着く。ここにはトイレもあり、約10分間の休憩をとる。木陰に腰を下ろして汗を拭いながら、いま登って来た麓の方を眺めると、田植えの済んだ棚田が素晴らしく、疲れを癒してくれた。

わらび、いちご がどっさり

ここからは、いよいよ額井岳への山道である。林の中の深くえぐれた所を登る。ほどなく水場があり、水は冷たかったが浮遊物が混じっていて、そのままでは とても飲める状態ではなかった。やがて舗装された林道に出て左へ。この林道は額井岳の裾を巻くようについている。すぐに額井岳の登山口がある。ここで5名の方が額井岳へ登りたい、と希望。グループが二つに分かれるので、少しは迷ったが、頂上へは一本で、そんなに難しくないのでOKする。往復で1時間遅れるかどうか。赤い誘導テープをつけるので「それに従ってください」と伝えて、先に進むことにした。林道の両側にワラビやキイチゴが沢山で、皆「ワァワァ」と採取に大変賑やか。やがて林道の終わりになる。この辺が午前のコースの最高点である。二つ目の水場があり冷たい水で喉を潤し休憩をとる。

軽四トラックが小道を塞いで停まっていた

小さな沢を渡って地道を歩く。少しだけ登った後、フラットになった林の中に吐山への分岐がある。ところが軽四トラックが小道を塞ぐように停まっていて、分岐が分かり難くなっていたので、赤テープを沢山付けておいた。後は杉林の中をどんどん下る。そして500mほど下った所で右にとる。沢を渡って やがて道へ出る筈であったが、少し上の方に出たようだ。北へまっすぐに進む。1`ぐらいで田町の集落へ出るコースを考えていたが「ショートカットの冒険をしてみるか」と皆に尋ねたら「よい」ということだったので、杉林の中を下る。間伐した幹や枝が足元に倒れていて、すごく歩き難く、声を掛けながら一足ずつ ゆっくり下りる。コースを変更したので誘導テープをつけながら進む。やがて国道が見える田圃に出た。国道を渡ってスズランの群生地へ向かって、だらだらとした田圃の中の坂道を登り、やがてスズランの群生地の標識が見えた。疲れた足が急に元気になった。

かわいい小さいスズランがいっぱい。

柵に囲まれた中に小さいスズランが、可愛い花を沢山つけていた。普段はあまり人の来ない所だが、山歩楽会のスズラン・ハイキングの記事が新聞に出たためか、この日はタクシーで来た人やマイカーで来た人など大変賑やかだった。予定より少し遅くなったが昼食にする。

しばらくしたら大和富士に登った二人が到着した。吐山へ下りる道を間違えて香酔峠の南の国道に出てしまった、という。途中で三人が遅れたので国道に出た所で、工事をしていた人に「国道を北に行った」と伝言を頼んできた、という。スズランへの入口は赤テープがつけてあったので、よく分かったという。やっぱり小型軽四トラックの所が分からなかったようだ。

それから しばらく待ったが後の三人はなかなか到着しない。心配になる。一緒だったKさんが責任を感じて国道まで見に行ってくれたが、全然姿が見えないという。2時半になり、もう これ以上待てないので赤テープをつけて出発することにした。ワラビ採りに夢中、前のグループとはぐれる

スズランの群生地から杉林の中を香酔山に向かって登る。約20分で林道に出た。この林道は貝ヶ平山を巻くようについている。林道を右へ。道端にはワラビがたくさん。ワラビ採りに夢中になっているうちに、先のグループとは次第に離れていった。貝ヶ平山の貝の化石が出るという地層の所に着いた時は、全く後ろのグループが見えなかった。しばらく待ったが一向に来る気配がない。途中テープを付けなかったので少し心配になった。

ザックを置いて迎えに走る。もしかして城福寺の方へ間違えたのではないかと思い、だらだら下り道をどんどん走る。時々大声で「オーイ、オーイ」と呼び、またホィッスルを思いっきり吹いてみたが、全く返答がなかった。とうとう田圃の見える所まで下りた。もし間違って、ここまで来たら間違いに気がつく筈である。急いで戻ることにする。下るときは走ることができたが、登りはとても走れない。汗を拭きながら歩いて皆が待っている所に近づいたら、出迎えの人がいて、後続組が今しがた着いたところという。ヤレヤレである。今日のトラブル二つ目である。

残念ながら貝の化石は見つからなかった。

貝ヶ平山は その名が示すとおり、かっては海底であったと思われる。第三紀砂岩層からはサクラ貝などの二枚貝の化石が出土しており、見つかるかも、と探したが、時間も少なくて残念ながら見つからなかった。諦めて帰途につくことにする。

林道の途中、貝ヶ平山への分岐があったが、登りたいという人は誰もいなかった。そのまま通り過ぎ鳥見山へ続く尾根に向かう。

小さな社で小休止のあと尾根に上がる。この尾根の小径は左に登れば貝ヶ平山の頂上へ。右に下れば鳥見山に続いている。右にとる。尾根の途中から左へ小鹿野へ下りる。約1時間で大和富士が青空に きれいに見えた所があったので、記念写真を撮る。まぁまぁ満足という笑顔で、リーダーとして少しホッとする。ただ三人の方が居ないのが残念だ。鳥見、西峠萩原を通り、午後4時半榛原駅に着く。駅の伝言板に「先に帰ります」と三人の名前があった。あーよかった。皆さんお疲れさまでした。(M)

 

 

山歩楽会