神話伝説の里・高千穂 と 霧島連山縦走

 

 

 

朝、家を出る時は小雨が降っていましたが、福岡に着いたら雨は止んで、高千穂では陽も差しており、神話の天岩戸や坂本竜馬の伝説もある真名井の滝などを地元のガイドさんのユーモラスな説明に感銘を受け、霧島温泉のホテルへ。

翌日は早朝に出発、大浪登山口から歩き出した頃は風速20bを超えるような強風が間歇的に吹き、飛ばされないように姿勢を低く、しっかりと踏みしめて登りました。大浪池は1400mの高さにある大きな噴火口で、メラルドグリーンの水をいっぱい湛えていました。
強風のためゆっくりと眺めることはできませんでした。少し下りてから主峰・韓国岳への急登です。標高1700m、日本百名山の山頂まで3時間半かかりました。そこでも強風が吹いていて大きな火口を覗き込むのは大変でした。

そこからは下りたり上ったりの繰り返しで、前方に天孫降臨の高千穂峰を眺めながら、強風も止んで気持ちよく獅子戸岳、また昭和34年に大噴火して今も噴煙を、いく筋も吹き上げている大きな噴火口の新燃岳、中岳と越えて高千穂河原に3時に下りました。7時間半の縦走でした。夜8時に伊丹に16名無事帰ってきました。

 

 

   

 氷柱(ツララ)からミヤマキリシマの霧島連山縦走

           松 井 伸 夫

11月14日(土)晴 

 雨の「大阪/伊丹空港」(8:27)に離陸し真っ白い綿雲をくぐって「福岡空港」に着陸した(9:23)こちらは天気も良さそうで迎えのツチヤ観光バスに16人が乗り込んで空港を出発した(10:00)、九州自動車道をひた走り高千穂(こちらでは三田井の高千穂と呼ぶらしい)に到着(13:18)した時はお昼もだいぶ過ぎていた、千穂の家の「宵殿屋敷」で遅い昼食をとったあと美人観光ガイドの案内で高千穂峡・真名井の滝・玉だれの滝・天岩戸神社・天安河原などを観光した。

 

観光客も多く中でも国の名勝、天然記念物に指定されているV字渓谷は80mの絶壁が東西に約70m続いているとか、「真名井の滝」は写真で見ていた通り17mの高さから流れ落ちる様はまさに神秘的で心が癒される思いがした。「真名井の滝」の下はではカップルの乗ったボートがあちらでもこちらでもぶつかり合って動かない様子が見られた(ちなみに貸しボートは30分で1500円とか)

小型バスで「天岩戸神社」へ移動、神職の案内で天照皇大神がお隠れになったと言われる「天岩屋戸」を直拝する、岩戸川に沿って行くと「天安河原」に着いた、天照皇大神が天岩屋戸にお隠れになり天地が暗黒となった為、神々がこの河原に集まり神議されたと伝えられる「仰慕ケ岩屋」の洞窟前では小石を積んでお願いすると願いが叶うとかで、河原一面に小石が積み重ねられていて拾う小石も積む場所も無い状態だ、何とか場所を見つけて小石を三つ積み重ね「風邪が治り無事霧島連山縦走が出来ますように」とお祈りした。高千穂観光を終わり「神都高千穂大橋」を渡ったところで美人観光ガイドさんが下車して見送ってくれた、いよいよ今夜のお宿に向けてバスは走り出した(16:00)。ところがバスはなかなかお宿に着かない、運転手が近道をと走った道がどうやら迷ってしまったらしい、やっと今夜のお宿「霧島国際観光ホテル」に到着した(19:39)

11月15日(日)晴

 「霧島国際観光ホテル」起床(5:15)、朝食(6:30)、弁当を受け取り迎えのバスに乗り込んでホテル出発(7:15)「大浪登山口」に到着(7:45)、いよいよ霧島連山縦走のスタート(7:58)風邪でまだ体調に不安を抱えながらのスタートでマスクをして整備された石畳の登山道を登っていく、朝も早く気温も低い上に登るにつれてガスが出てきた「大浪池休憩所」で一休み(8:53)、風が強くなってきたのにガスはなかなか飛んでくれない
大浪池火口縁東回りのコースを歩く、強風が「大浪池」から吹き上がってきて帽子が飛ばされそうだ、「大浪池」はところどこで顔を見せるが吹き上がってくる強風で覗くのにはなかなか勇気が必要だった。 「韓国岳避難小屋」に着いた(9:26)、小屋の片隅に先日、ここから親達から離れ一人で登って行って滑落し死亡した小学生えの供養だろうか黄色い菊の花が供えてあった。

山頂まで1.2kmとある道標の所で記念写真を撮って「韓国岳」に向かって急な斜面にどこまでも続く木の階段を登っていく、小学生が滑落したと思われる現場には花束や缶ジースが供えてあった(9:55)、ものすごい風が吹荒れて各人頬被りをして帽子が飛ばされない様にしながら登っていった、途中の日陰には霜柱が、氷柱ツララがまだ溶けずに残っていた。

 樹林帯を過ぎて岩場の斜面に出た、「韓国岳」頂上は直ぐだ、山岳ガイドが花束を持って下りて来るのに出会う、おそらく滑落現場に供えるのだろう。「韓国岳」に到着(10:43)、三角点にタッチ、先ほど登ってきた「大浪池」が先ほどと違う水の色を見せていた、吹き飛ばされそうな強風の中かろうじて記念写真を撮って早々に出発する、崩落した階段のガレ場を下り水の無い「琵琶池」の縁を回り木立の風の無い場所を選んで昼食をとる(11:4512:23)

 平坦な樹林の中を歩き「獅子戸岳」(1429m)に着いた(12:50)「獅子戸岳」は平坦な登山道の途中にあって登って来たと言う実感がなかった、下りは右手に獅子の横顔に似た大きな岩を見ながらガレ場を下る、前方に白い煙を上げる「新燃岳」へ登る一本の登山道が続いている、新燃岳分岐を過ぎて低潅木帯の岩道を登ると背の低いススキが現れ登り切ると大きく口を開けた「新燃岳」の北火口縁に着いた(13:22)、活火山を主張するように白いガスを吹き上げ、かすかに硫黄の臭いが風に乗ってくる、火口縁から覗き込むとエメラルドグリーンの水をたたえた火口湖が見える。

強風の時は歩けない火口縁を歩く、火口縁の向には「兎の耳」と呼ばれる双耳岩が火口湖を見下ろしている様にみえる、「新燃岳」のピーク地点?(1421m)に到着した(13:47)三角点を探しに行ったYさんが見つからなかったと言って帰ってきた、「新燃岳」と表示のある前で記念写真を撮って「中岳」へのレールのように続く木道を下って行く、前方にはやさしいかたちの「中岳」が背後に「高千穂峰」の雄姿と重なってだんだん近くなってきた「中岳」(1332m)に着いた(14:15)、すぐ目の前に「高千穂峰」がそびえている御鉢もはっきりと見てとれる、天気もよく素晴らしい眺めに感動しきりだ。下りは急な岩場で足場の悪い所が続き気を引き締めて下山する、「高千穂峰」の形がどんどん変わって行く、やがて平坦な散策道になり季節はずれのミヤマキリシマの可愛い花に出会う、樹林帯の中の歩きにくい自然探求路の石畳を歩いて「高千穂峰河原」に到着した(15:13)

待機していたバスに乗り込んで「高千穂峰河原」を後に(15:24)、硫黄谷温泉「霧島ホテル」で連山縦走の汗と疲れをかけ流しの大庭園風呂にゆっくりと体を沈め洗い流してさっぱりした(16:5617:08)「霧島温泉市場」に立ち寄って霧島温泉をあとにし「鹿児島空港」に向かう、満席のANA552便で「鹿児島空港」を離陸(19:05)「大阪/伊丹空港」に着陸(20:00)、いつもの様に細かくお世話を下さった会長夫妻にお礼を述べ空港を後に帰途に着く(20:18)、庄内でKさんと、十三で京都の二人と別れて自宅に着いたのは(21:34)になっていた、元気な姿を見て奥さんも安心したようだ。気がついたら昨日の風邪は「天安河原」で小石を積んでお願いしたお蔭か、すっかりとはいかないが確実に快方に向かっていた。

会長夫妻、そして仲間皆さん、今回も楽しい二日間をありがとうございました。

                                       (2009年11月  登山日記より)

 

     

感動の霧島連山縦走

 

羽木 敬子

今年の秋の山のツアーは霧島連山縦走です。雨の残る早朝、空港に向いました。搭乗口は満席ということで、どこが最後尾なのか分からない程の長蛇の列、機は30分遅れで離陸。福岡空港からは貸切バスで九州を縦断するように高千穂に向いました。ヤマブキ色に黄葉したイチョウの木や落葉した柿の木に鈴なりになっている柿、山裾には見事な曲線が素晴らしい棚田、とても心に残る穏やかな山里の風景が見られました。

 千穂の家では郷土色豊な料理を満喫、心身共に温まりました。その後ガイドさんの案内で高千穂峡の真名井の滝や玉垂れの滝、天岩戸神社や天安河原などを見物、歌もお上手で愉快なガイドさんは途中で下車されお別れしてバスは霧島温泉へと向いました。日も暮れ街灯も無い真暗闇の山里を走りホテルに到着。先ずは今回の楽しみの一つでもある豪華な夕食に舌鼓、満腹で部屋に戻り、一息ついてから心ゆくまで温泉につかり就寝しました。

 翌朝、行届いたもてなしを受けたホテルを7時過ぎに出発。空模様もまずまずで大浪登山口で下車。健脚組は後陣に付き歩き始めました。緩やかな登りからだんだんと傾斜がつき、休憩所付近ではガスも発生、忽ち周辺は乳白色に包まれました。

大浪池の火口縁を過ぎ、韓国岳へは階段の登りもあり、過日悲しい事故のあった場所にはたくさんのお花やお供物が供えられ、私達も胸の痛くなる思いで手を合せました。笹や低木の間から紅紫の実をつけたツルリンドウが癒してくれました。進むにつれガスが晴れて来ると、急な岩場の登りでは時折突風が吹きつけ、ザックも軽いので飛ばされそうな勢い。会長から “姿勢を低くして、確りストックを地につけて!! ” と指示があり、一歩一歩慎重に進み頂上近くでは霜柱や氷柱も見られ、無事に全員三角点にタッチ。

果てしなく大きい深い爆裂火口は離れて立っていても身が竦む程の迫力がありました。それでも流石に展望は超一流。山名の由来も納得、霧島連山が続き、その先には堂々とした高千穂峰があり、雄大な眺望にはただ “凄いなぁー” の声しかなく、大浪池の澄んだ青さにも魅入るばかり、本当に至福の時間でした。最高の声で “1+1=2−!! ”。

そして獅子戸岳に向う途中の日溜りでお弁当を開きました。おかずもたくさん入っていましたがオムスビと梅干がとても美味しかった。丁度正午でした。米粒のような葉がビッシリと重なり合い山地を這うようにキリシマツツジが広がり、草もみじの草原では鮮やかな松の緑の映える素晴らしい風景も見て、1時少し過ぎた頃に獅子戸岳に到着、三角点は無く山頂とも思えぬ頂で標識を背にパチリ。活火山の新燃岳へと進みました。

間近で噴煙を見るのは初めて、火口の水は素敵な萌黄色、濁っていても一目を引く美しさは不思議な色で感動の情景でした。そして最後の中岳に到着、全員元気で、やはり大きな声で会長に向って “1+1=2−” の合唱、満足感で胸はいっぱいでした。縦走路に人影が続く先には御鉢から高千穂峰が美しい層の山肌を見せて居座っているような威風堂々とした山。2年前の頑張った思いが蘇り、まだ下山を控えているけれど、此の場に来ることができた喜びで “ヤッタゾー” と思わず声がでました。そして高千穂河原まで下山開始です。今年は良く見たサルトリイバラの赤い実や青紫のリンドウの花、両側に咲いていたキリシマミツバツツジ、可愛いい花のお蔭もあって気持ち良く下山できました。

いつもながらの会長夫妻の温かいお心遣いで今回もまた、いっぱいの感動で秋山ツアーを終える事ができました。心から感謝申し上げます。お仲間の皆様にもお世話になり楽しい想い出が増えました。本当に有難うございました。

 

 

 

高千穂・霧島の思い出 寸描

         松井 恵子  

今年の秋山ツアーは霧島、いつも早く来る人(アンカーマン)が伊丹空港に遅れて来ました。マスクをして朦朧として現われ、ちょっと心配です?急いで出発保安検査場のものすごい列に並ぶこと、やっとの事で機内に乗り込み、約20分遅れで飛行機は飛び立ちました。

暫らくして前の席のSさんが、あれを見て、と教えてくれましたので、窓の外を見ると、綿のような雲に飛行機の影が映って、その周りに虹のサークルが出来ていました。山の上で見るブロッケンと同じでしょうか?とても感動的で私達だけが機内はザワメキでした。雲が大きくなると影も大きく、中に飛び込んでくるようで、ワァーと思わず声が出てしまいました。私は何日経っても目に残っています。

高千穂峡観光も真名井の滝や天岩戸、天安河原などガイドさんの説明も楽しく見て回りました。中でも玉垂れの滝は、私には雨垂れの滝と聞こえましたが、Tさんは ・ ・ 垂れの滝と聞こえた、といってしまったのでバスの中は大笑いでした。

高千穂を後に一路、霧島温泉のホテルにバスは急ぎ、近道をしようとして予定より遅れてしまい遅い夕食となりましたが、とても美味しく頂きました。

翌朝7時にバスに、ホテルの若いお姉さんから当地の方言でのお礼の言葉ははサッパリ判りませんでしたが、泥パックをした方は三日間は美人と聞いて、家に帰るまでは美人と大喜びで楽しいお別れをして霧島連山へ。

大浪登山口で下車、今日は風が強いという天気予報のとおり物凄い風で飛ばされそうでした。大浪池を過ぎ韓国岳に登り出して間もなく、先日悲しい事故があった場所でしょうか、花束とジュースが供えてあり、胸がつまり掌を合わせました。そのあと登りが急になるほど風が強くなり、霜柱と氷柱を見ながら登りました。途中でお花を持った団体に出会いました。事故の現場に供えるのでしょう。

韓国岳の頂上では岩場に隠れるようにして食事をしている人もあり、やっと1等三角点百名山にタッチ。アンカーマンも元気になってきたみたいです。頂上からの景色は素晴らしく、これから行く山並みが延々と続き、中には噴煙を上げている処やその先には2年前に登った高千穂峰の秀麗な姿が見える。また登ってきた方向には大浪池の美しさなど確りと目に納めた二日間の楽しい山歩きでした。

 

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