氷柱からミヤマキリシマの霧島連山縦走
松 井 伸 夫
11月14日(土)晴
雨の「大阪/伊丹空港」を(8:27)に離陸し真っ白い綿雲をくぐって「福岡空港」に着陸した(9:23)こちらは天気も良さそうで迎えのツチヤ観光バスに16人が乗り込んで空港を出発した(10:00)、九州自動車道をひた走り高千穂(こちらでは三田井の高千穂と呼ぶらしい)に到着(13:18)した時はお昼もだいぶ過ぎていた、千穂の家の「宵殿屋敷」で遅い昼食をとったあと美人観光ガイドの案内で高千穂峡・真名井の滝・玉だれの滝・天岩戸神社・天安河原などを観光した。
観光客も多く中でも国の名勝、天然記念物に指定されているV字渓谷は80mの絶壁が東西に約70m続いているとか、「真名井の滝」は写真で見ていた通り17mの高さから流れ落ちる様はまさに神秘的で心が癒される思いがした。「真名井の滝」の下はではカップルの乗ったボートがあちらでもこちらでもぶつかり合って動かない様子が見られた(ちなみに貸しボートは30分で1500円とか)。
小型バスで「天岩戸神社」へ移動、神職の案内で天照皇大神がお隠れになったと言われる「天岩屋戸」を直拝する、岩戸川に沿って行くと「天安河原」に着いた、天照皇大神が天岩屋戸にお隠れになり天地が暗黒となった為、神々がこの河原に集まり神議されたと伝えられる「仰慕ケ岩屋」の洞窟前では小石を積んでお願いすると願いが叶うとかで、河原一面に小石が積み重ねられていて拾う小石も積む場所も無い状態だ、何とか場所を見つけて小石を三つ積み重ね「風邪が治り無事霧島連山縦走が出来ますように」とお祈りした。高千穂観光を終わり「神都高千穂大橋」を渡ったところで美人観光ガイドさんが下車して見送ってくれた、いよいよ今夜のお宿に向けてバスは走り出した(16:00)。ところがバスはなかなかお宿に着かない、運転手が近道をと走った道がどうやら迷ってしまったらしい、やっと今夜のお宿「霧島国際観光ホテル」に到着した(19:39)
11月15日(日)晴
「霧島国際観光ホテル」起床(5:15)、朝食(6:30)、弁当を受け取り迎えのバスに乗り込んでホテル出発(7:15)、「大浪登山口」に到着(7:45)、いよいよ霧島連山縦走のスタート(7:58)風邪でまだ体調に不安を抱えながらのスタートでマスクをして整備された石畳の登山道を登っていく、朝も早く気温も低い上に登るにつれてガスが出てきた「大浪池休憩所」で一休み(8:53)、風が強くなってきたのにガスはなかなか飛んでくれない
大浪池火口縁東回りのコースを歩く、強風が「大浪池」から吹き上がってきて帽子が飛ばされそうだ、「大浪池」はところどこで顔を見せるが吹き上がってくる強風で覗くのにはなかなか勇気が必要だった。 「韓国岳避難小屋」に着いた(9:26)、小屋の片隅に先日、ここから親達から離れ一人で登って行って滑落し死亡した小学生えの供養だろうか黄色い菊の花が供えてあった。
山頂まで1.2kmとある道標の所で記念写真を撮って「韓国岳」に向かって急な斜面にどこまでも続く木の階段を登っていく、小学生が滑落したと思われる現場には花束や缶ジースが供えてあった(9:55)、ものすごい風が吹荒れて各人頬被りをして帽子が飛ばされない様にしながら登っていった、途中の日陰には霜柱が、氷柱ツララがまだ溶けずに残っていた。
樹林帯を過ぎて岩場の斜面に出た、「韓国岳」頂上は直ぐだ、山岳ガイドが花束を持って下りて来るのに出会う、おそらく滑落現場に供えるのだろう。「韓国岳」に到着(10:43)、三角点にタッチ、先ほど登ってきた「大浪池」が先ほどと違う水の色を見せていた、吹き飛ばされそうな強風の中かろうじて記念写真を撮って早々に出発する、崩落した階段のガレ場を下り水の無い「琵琶池」の縁を回り木立の風の無い場所を選んで昼食をとる(11:45〜12:23)。
平坦な樹林の中を歩き「獅子戸岳」(1429m)に着いた(12:50)、「獅子戸岳」は平坦な登山道の途中にあって登って来たと言う実感がなかった、下りは右手に獅子の横顔に似た大きな岩を見ながらガレ場を下る、前方に白い煙を上げる「新燃岳」へ登る一本の登山道が続いている、新燃岳分岐を過ぎて低潅木帯の岩道を登ると背の低いススキが現れ登り切ると大きく口を開けた「新燃岳」の北火口縁に着いた(13:22)、活火山を主張するように白いガスを吹き上げ、かすかに硫黄の臭いが風に乗ってくる、火口縁から覗き込むとエメラルドグリーンの水をたたえた火口湖が見える。
強風の時は歩けない火口縁を歩く、火口縁の向には「兎の耳」と呼ばれる双耳岩が火口湖を見下ろしている様にみえる、「新燃岳」のピーク地点?(1421m)に到着した(13:47)三角点を探しに行ったYさんが見つからなかったと言って帰ってきた、「新燃岳」と表示のある前で記念写真を撮って「中岳」へのレールのように続く木道を下って行く、前方にはやさしいかたちの「中岳」が背後に「高千穂峰」の雄姿と重なってだんだん近くなってきた「中岳」(1332m)に着いた(14:15)、すぐ目の前に「高千穂峰」がそびえている御鉢もはっきりと見てとれる、天気もよく素晴らしい眺めに感動しきりだ。下りは急な岩場で足場の悪い所が続き気を引き締めて下山する、「高千穂峰」の形がどんどん変わって行く、やがて平坦な散策道になり季節はずれのミヤマキリシマの可愛い花に出会う、樹林帯の中の歩きにくい自然探求路の石畳を歩いて「高千穂峰河原」に到着した(15:13)。
待機していたバスに乗り込んで「高千穂峰河原」を後に(15:24)、硫黄谷温泉「霧島ホテル」で連山縦走の汗と疲れをかけ流しの大庭園風呂にゆっくりと体を沈め洗い流してさっぱりした(16:56〜17:08)、「霧島温泉市場」に立ち寄って霧島温泉をあとにし「鹿児島空港」に向かう、満席のANA552便で「鹿児島空港」を離陸(19:05)「大阪/伊丹空港」に着陸(20:00)、いつもの様に細かくお世話を下さった会長夫妻にお礼を述べ空港を後に帰途に着く(20:18)、庄内でKさんと、十三で京都の二人と別れて自宅に着いたのは(21:34)になっていた、元気な姿を見て奥さんも安心したようだ。気がついたら昨日の風邪は「天安河原」で小石を積んでお願いしたお蔭か、すっかりとはいかないが確実に快方に向かっていた。
会長夫妻、そして仲間皆さん、今回も楽しい二日間をありがとうございました。
(2009年11月 登山日記より)
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