想い出の紀行文 |
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M Y さん |
松 井 さん |
あの強風の中を無事に三山クリアーでき良かったと思っています。 悪天候の中ながら皆さんの登ろうと言う意思に励まされて頑張ることが できました。 蔵王のお釜の絶景で最後を満喫、百名山の三山を登攀できまして 皆さんに感謝しております。 ( M Y ) |
強風と敷石道になやまされて百名山に登る
松
井 伸 夫 7月1日〜4日の「利尻・礼文」、7月24日〜25日の「大峰山系・大普賢岳」そして8月28日〜29日の「氷ノ山・高丸山・鉢伏山」と続いた今年の山行は最後に東北の百名山を三日かけて猛烈な風と雨そして長い敷石道に悩まされながら登り、非常に印象深い3泊4日の遠征となった。 10月14日(木) くもり 午後の出発なので10時30分自宅を出発し伊丹空港に早めに着いた、昼食を済ませANA1659便は双発のプロペラ機、地上からタラップで機内へ中国以来二度目の経験だった。伊丹空港(13:18)離陸、一時間足らずで新潟空港に着陸(14:12)した。出迎えのアネシスバス(小林ドライバー)に16名が乗り込んで空港を後にする(15:03)。 新潟県から山形県へ日本海沿いの国道7号線をさらに北上し秋田県の県境近く「鳥海山」の四合目「太平山荘」に到着した(18:19)。ドライバーの話では350kmは走ったとの事。 10月15日(金) 風雨 起床(4:10)、朝食(5:00)、「太平山荘」バス出発(6:00)。ほどなくバスは鉾立ビジターセンター前に到着した(6:06)。濃い霧で辺りは何も見えない、気温11度、防寒着を着て出発した(6:16)。 1450m地点で雨が降り出して来た(7:05)。色とりどりのカッパの列が次第に強くなってきた雨と風に乱れて来た、「賽の河原」通過(7:36)、敷石道が延々と続く、雨も風も益々強くなって来た。ビニールのポンチョは風でめくれあがり体はずぶ濡れ状態だ。 「御浜小屋」にたどり着いた(8:16)、トイレ休憩の後歩きだしたが強風と雨で前に進むことが困難と会長の判断で小屋まで引き返した。小屋の中でも冷えた体はなかなか温まらない。 約一時間の待機の後4人を残して出発した(9:50)。一時雨も止んで敷石道を進むが相変わらず強風が行く手を阻んでいた。「御田ケ原」(10:04)で風が強くて引き返してきた人に出会う。七五三峠(10:33)から「千蛇谷」にはわずかに残雪があった、大きな岩がごろごろと歩き難い谷を過ぎて「鳥海山」を目指して先を急ぐ、霧の中に建つ「大物忌神社」に到着した(12:10)。大きな矢印を目当てに「山頂・新山」にアタック開始、大きな黒い岩が覆いかぶさって来て足場も見つからない様な難コースだ。後で聞くと我々は超難関コースを進んだらしくなかなか頂上が見えてこない。途中で殆どの仲間が引き返し、Kさんと二人でやっと「鳥海山・新山」(2236m)と表示のある頂上に立つ事が出来た(12:37)。 「大物忌神社」に下山した(12:50)。後から登って来た仲間が揃い下山開始(12:55)、雨は降ったり止んだり、「御浜小屋」の待ちわびた4人と合流(15:19)、急いでにぎりめしをお腹に詰め込んだ。元気な二人が伝令として先に出発、続いて残りが出発する(15:28)。日の暮れるまでにスタート地点に帰って来た(16:53)、雨も上がって鉾立ビジターセンターには人影もなく我々の帰りを待っていたバスに乗り込み出発した(17:04)。 昨日走った道を戻り、湯野浜温泉「ホテル海山」に着いたのが(18:35)となっていた。 10月16日(土) 曇りのち晴れ 起床(5:00)、朝食(7:00)、「ホテル海山」バス出発(7:43)、鶴岡市の中心街を走り、途中で弁当を積み込んで、月山高原ラインに入ると車は右に左にカーブしながら色つきかけた木々の間を縫って上っていく、今日は天気も心配なさそうだ、月山八合目駐車場に到着した(9:20)。今日も風が強そうだ。気温は10度、じっとしていると寒くなってきた。
記念写真を撮って出発だ(9:45)。木道を歩き「月山中之宮・御田ケ原参籠所」ここでも記念写真を撮って歩きだす(10:00)。阿弥陀ケ原は霧の中、木道を進み湿地帯らしく水が流れている道には丸い踏み石が敷かれていた。 笹の道からガレ場の「たたみ石」に着く(11:19)。猛烈な風で吹き飛ばされそうだ。池の前にお地蔵さんが並んだ「仏生池小屋」に到着(11:30)、少し早い昼食となった。依然として風は強く吹いていた。食事を済ませ出発する(12:12)。「オモクシ山」の表示を過ぎても強風が続くしっかりとフードをしないと帽子が飛ばされそうになる。雲も時折消えて素晴らしい眺めが広がって紅葉した山に雲の影が動いていた。 修行未熟の行者がここで引き返したと言う「行者返し」(12:45)を登ると、そこからは「月山」に続く道の遠くに「月山」の姿が見えてきた。月山神社に着いた(13:27)、一等三角点(1984m)は見つからず強風吹き荒れる中、神社の鳥居前で記念写真を撮って早々に下山した(13:47)。石積みの壁を過ぎて強風をまともに受けてなかなか前に進めない、斜面を下りやっと風を受けなくなった。 そこからは出羽の山々が目の前に錦の衣を着て我々を迎えてくれた。素晴らしい眺めだ、強風の中や霧の中を頑張って歩いて来たご褒美を用意して待っていてくれた様だ。「牛首」から「金老」分岐(15:00)へ天気も良くなって来て素晴らしい山々の眺めを見ながら歩く「清身川」で一休み(15:30)。装束場から最後の難関「月光坂」は幾つもの梯子が架かっていた。水が流れ落ちる中、滑りやすい石を注意深く踏みながら下りて行く。そんな中で
Yさんの足に異変が起きたまだ下まではだいぶありそうだ。Kさんと三人でゆっくりゆっくりと下りる。そう言う自分にもKさんにも足がおかしくなって来た。 やっと「湯殿山神社」に下りてきた(16:45)。待っていたバスに乗り込んで出発(17:05)、今夜の宿舎、蔵王温泉「KKR蔵王白銀荘」に着いたのは(18:34)になっていた。 10月17日(日) 晴れ 起床(6:00)、朝食(7:45)、「KKR蔵王白銀荘」バス出発(8:34)。すぐ近くの蔵王ロープウエイの「山麓駅」(8:50)発の山麓線で
Yさんを残して、紅葉の美しい眺めを楽しむ間もなく7分で「樹氷高原駅」に着いた。次いでユートピア第一リフトで一気に「観松平」に降り立った(9:17)。 昨日までの疲労を残しながらスタートする(9:20)。整備された木道を歩き「いろは沼」で「地蔵山」と「熊野岳」をバックに記念写真を撮る(9:35)。木道が無くなり樹林帯の中の緩い登りを抜けると視界が開けて右に「熊野岳」への稜線が見えてきた。 地元のハイカーの集団とすれ違い、登り坂を歩いて「ワサ小屋跡」に着いた(10:32)。ここでは地蔵山から下りてきた登山者と合流して沢山の人達と出会う「ワサ小屋」のいわれを教えてもらい小休止をとる。山頂への分岐で会長夫妻と別れ
Kさんを先頭に「熊野岳」を目指して岩のガレ場を登る。 「熊野岳」山頂に到着(10:55)。熊野神社は石積みの中に、山頂から避難小屋までは遮るものは何もなく展望は言う事なしだ。馬の背を行く会長夫妻が見えた。ガレ場を下り馬の背で合流し眼下に蔵王のシンボル、エメラルドグリーンに光る「御釜」をバックに記念写真を撮る(11:20)。馬の背から「刈田岳」への道を急ぐ、レストハウスからバスでやって来た観光客が大勢「御釜」を見に降りて来た、その中に
Yさんの姿を見つけた。 「刈田岳」「刈田嶺神社」で朱印を貰い、三角点にタッチ(11:50)して沢山の観光バスで満杯の駐車場に、全員が揃ってバスは出発(12:06)。蔵王ハイライン・蔵王エコーラインは上ってくる車が数珠繋ぎ状態だ。車窓から蔵王の紅葉を十分に堪能しながらバスは遠刈田温泉「宮城ロイヤルホテル」に到着(12:37)。入浴・昼食を済ませホテルを後にする(14:28)、途中キノコの買い物ツアーに立ち寄った後、今回個人的に楽しみにしていた「青葉城観光」に向かう。 広瀬川を渡り大手門から駐車場へバスを降りて(15:43)、青葉山・仙台城跡を散策する。400年前に正宗が築いた「仙台城」は今大勢の観光客で賑わっていた。仙台城を出発(16:17)、仙台空港に到着(17:07)し、アネシスバスの小林ドライバーに4日間の安全運行に、全員で感謝を述べてお別れをする。 ANA740便で仙台空港を離陸(19:18)、無事伊丹空港に着陸した(20:26)。おみやげで膨れ上がった荷物を持った仲間と別れ、自宅に着いたのが(22:15)になっていた。 今回も細かい手配や心遣いを頂いた会長夫妻に心から感謝いたします。又、素晴らしい仲間と少しでも長く一緒に歩ける様に祈りながら。今回改めて体力の衰えを自覚した山行でした。 ( 2010年10月 登山日記より ) |
強烈な思い出の…鳥海、月山、蔵王 羽木 敬子 10月14日〜17日の秋山ツアーは東北の山々、鳥海山、月山、蔵王の三山。大阪空港からゴーという爆音と共に、皆の期待をのせてプロペラ機は飛び立ちました。眼下に北アルプスの山々を見て胸を躍らせつゝ1時間余りで新潟空港に着陸。貸切りバスに乗り、新潟市内を抜け山形県に入り、暗闇の先に鳥海山四合目の大平山荘の明るい建物が見え“やっと着いた”と下車。すぐに夕食、その後入浴。熊が出るかも・・・?と言うのでお守りの鈴を購入、雨を心配しながら10時には就寝。 15日は4時過ぎに起床、部屋で朝食を済ませ、予定通り6時にバスに乗車。今にも振り出しそうな空を見上げながら鉾立で下車、煙ったようにガスの立ち込める中を出発、タムラソウが風に揺れながら迎えてくれる。秋田、山形の県境を通過したのが6時55分頃。この辺りに1,314.8mの三角点があるらしいと探すが不明。ポツポツと小雨が降り出し、少しずつ雨足も強くなってきた所で御浜小屋で休憩。避難客もあり、私達も20分ほど休んで出発。 数分歩いた頃、風雨も強まり会長さんの“小屋に戻り様子をみます”との事で、もう一度小屋へ。時間も充分、余裕があるからとオムスビを食べ暖かい茶湯を飲み腹ごしらえ、軽い雨具からしっかりした上着に着替えました。スボンを置いてきたことを、チョット悔やみつゝ、1時間ほど過ぎた頃、“雨が止んで景色が見えるョー”の声、現れた風景は、是非登りたいという気を充分に刺激してくれる絶景。体調不良の4人を残して元気に出発。 風雨とガスの中を登る・・・ 暫くして、またガスがお出まし・・・という感じで、周囲は灰色の世界、風も吹き荒れるという感じ。 七五三掛あたりから少し風も治まり、鉄梯子を下りて足場の悪い千蛇谷を渡り、土色と変わらない雪渓の側を通り登って行きました。大物忌神社に1時に集合という事で先陣組は頂上を目指して進み、私達も頑張って神社に着いたのが12時半頃、山頂の新山へは時間的に無理という事なので待つことにしましたが、神社や小屋は冬支度のためか閉じられており、軒下に入り腹ごしらえ。その内、声が聞こえ会長さんのホィッスルを聞いて戻ってきた人達は、頂上は岩登りをするようで風雨が強く危険なため引き返して来た、との由。2人の猛者さんが無事に登頂、Kさん、Mさん、お見事! 皆揃ったのでガスの漂う神社の前で“1+1=2―”!! 1時過ぎに下山開始。悪天候で石畳の道は足にきつく堪えましたが、御浜小屋に辿り着いた時は心底安堵しました。奥さんは外に出る度に天を仰いで祈念してくださったそうで有難く思いました。会長から”懐中電灯のある人は用意を・・・”の声に必携を痛感しました。こういう事もあるのだと思いながら・・・。幸い晴れてきたので明るいうちに下山でき、4時半頃に鉾立の駐車場に着きました。運転手さんも心配されていた様子で”寒かったでしょう”と暖かいコーヒーを用意して頂き、とても嬉しいサプライズでした。 湯野浜温泉に着き身体を温めた後夕食タイム。ご飯がとても美味しく、ご馳走も充分頂き、明日は、どうか降りませんようにと願いながら床につきました。 飛ばされないように這うようにして・・・ 16日の朝は雷鳴で目が覚め、7時の朝食の頃は雨も止み、45分に出発。月山の八合目の駐車場に到着。前日の事もあるのでレインスーツを着用。この日もガスで一面の乳白色、笹の葉が茂る中、飛び石や木道の上を滑らぬよう吹き飛ばされないようにと強風の中を歩き続け、1,758mの仏生池小屋に11時過ぎに着き、有難いことに扉は開き中に入って昼食。そして12時過ぎには相変わらずの強風の中を歩き出し、登りの傾斜も行者返しあたりから少しずつ険しくなってきたようで月山頂上の神社に到着。1時半近くなっていました。 家族連れや私達と同年配のグループなどの出逢いもあり、三角点のある場所は危険なためパス。閉ざされた神社の前で白銀の世界ならぬ灰色の世界の中で”1+1=2―”、せめて声は元気よく風に負けないで。下山の途中、だんだんと風も治まり霧も晴れ、少しずつ秋の風情に染まっている山々に溜息のような歓声。ウツボグサやリンドウも目に留まり歩き易くなったとの思いも束の間で、また岩や石ばかりの下り道。とくに渓流下りのような所は滑らないように足場を求め、正しく悪戦苦闘の連続。装束場の梯子の所で、会長から”これが終わると楽になるから頑張って”と言われ、もうひとふんばりと数ヶ所の鉄梯子を下りました。 湯殿山神社までの道程は紅葉も半ば、川の流れる景色も美しく癒されながら歩きました。神社から見えた茜色に染まる空を見て、明日こそは晴れて、と願いバスに乗車。この日もコーヒーを頂いてひと息つきました。 蔵王温泉のお宿に到着。先に夕食となり、食べ過ぎと思いつゝ美味しく全部頂きました。ゆっくり温泉に浸かり、もう一日ガンバレと足をマッサージ、手足を思いきり伸ばしました。日増しに膨らんでくる荷物を整理して床に。 翌朝は4時過ぎに起床して朝風呂に、朝食は漬物バイキングもあり、ワラビのそれが珍しく、種類が豊富で食べ過ぎるほど、朝から賑やかに美味しく頂きました。この日は希望通り素晴らしい晴天で気分も高揚。8時半に出発、山麓駅まではすぐでした。ロープウェイとリフトを乗り継いで、観松平を歩き、いろは沼で”1+1=2―!! ”リンドウの花は霜枯れ状態でしたが、シラタマの木や岩陰には果て無げにイワカガミが見られました。ワレモコウも花穂がなく、初夏には真白な花で楽しませてくれたナナカマドも葉を落とし真っ赤な実を残すだけ。 この日は暑いくらいでしたが、熊野岳へ向う道から眺める景色は遠くまで見渡せ快調に歩も進みました。ワサ小屋跡では流石に風も冷たく、2組に分かれ頂上までの登りは緩やかそうに見えるだけで、大きな岩や石を掴んだりよじ登ったりで、蔵王山神社の裏側の二等三角点に遂に来れました、と感激の思いで撫で回しました。11時5分でした。Kさんが写真を写してくださるというのに満面の笑みを浮かべても、ガチガチの膝は悲鳴をあげているようでポーズがとれず、見かねたNさんに場所を変ってもらって無事に”1+1=2―!! ” ほっとしました。 蔵王のお釜に疲れもとんで・・・ 少し下って先の組と合流し、お釜の風景を見ながら歩くのは空中散歩しているよう。ターコイズブルーの水の色に目も釘付け、昨年の韓国岳を思い出しながら1,758mの刈田岳に向い。岩場に埋もれたような三角点の場所を教えてもらって、これで全部との思いを込めてタッチ、11時45分でした。刈田嶺神社に無事登頂の喜びと御礼とこれからの道中のお願いをして、手を合わせました。日曜日だったので多勢の人で賑わっていました。 蔵王エコーラインの展望は素晴らしく、様々な彩りに装った山々は爽やかに緩やかに変化しているようで、しっとりと胸に染みる情景でした。ホテルに着いて入浴後、昼食、たくさんの御膳の中でも御飯に久し振りのシシャモがとても美味しく満腹でした。道の駅に寄り、楽しみだった青葉城観光。♬
広瀬川 流れる岸辺・・・♬ と皆で口ずさみながらノンビリと杜の都を短時間ながら楽しみました。 そして仙台空港から大阪空港へと元気に帰り着き、”お疲れ様でした。またネ・・・”
と解散、帰途に着きました。会長ご夫妻の様々なお心づかいが有難く、お仲間の励ましと強い絆に勇気づけられ無事に登頂できたことに嬉しさと共に誇らしさも感じ、皆々様にも心から感謝申しあげます。
本当に素晴らしい4日間を有難うございました。 |